東京書籍・中学校理科の教科書の巻末付録
温帯低気圧3Dペーパークラフト
 この春から使用されている東京書籍の中学2年の教科書「新編 新しい科学」の付録として、「温帯低気圧3Dペーパークラフト」を制作しました。ん、どっかで見たことあるな・・・と思ったあなたは紙工房マニア。これは2010年に国立科学博物館の依頼でフリーダウンロード教材として制作し、その後科博のミュージアムグッズにもなったペーパークラフトの、2度目のスピンオフ作品となります。ショップではその前年に作った自分としては会心の作「ミジンコペーパークラフト」よりもこっちの方が売れているそうで、僕としては複雑な心境だったりもするのですが、教材としてはこちらの方が学び所が多いようですね。カードサイズに詰め込んだ様々なギミックや、依頼を受けた時の衝撃などは当時作ったページをご覧いただくとして、教科書サイズに合わせてカード構成や寸法を見直し、本編に登場するキャラクターも描き加えたうえでの再々お披露目で、これまでとは桁違いの子供たちに作ってもらえることになりました。一粒で三度目の思いがけない収入も含めて、これはうれしい!
 それで思い出したのが今年のお正月のこと、松の内も過ぎた頃に、時折年賀状をやりとりしている昔のお得意さんから新年の挨拶が届きました。彼が初めて投稿コーナーに写真を送ってくれたのが2008年。当時「日本一器用な小学生」の肩書きで紹介した写真は今でも見ることができます。小学生ながらにキットをただ組み立てるだけではなく、改造したり縮小したりオリジナル作品を作ったりしていた彼が、今では何と大学生。自分たちで自動車を設計して制作する部活動に所属し、自分で組み立てた車がサーキットを走る勇姿をハガキにプリントして送ってくれました。もちろん元々そんな彼だからペーパークラフトにも興味を持ってくれたのでしょうが、子どもの頃にメカニズムやもの作りへの関心をより深めるきっかけの一つに僕の作品がなったのであれば、こんなに光栄なことはありません。全然売れない時は数十部ってこともあるけど(マジです)、うまく転べば数万人、数十万人の子どもの手に渡る機会のあるこの仕事、これからも一つ一つ大切に向き合わねばと思った出来事でした。その境目が全然分かんないからやっかいなんだけれども。