2003年の9月に発売された「紙でつくる北原コレクション」の続編です。モチーフを決めるのに前回はあまり苦労した記憶はないのですが、今回はTASCHENの1000TinToys(ドイツの出版社から出ている北原コレクションの集大成本です)をながめながらけっこう悩んでしまいました。違うロボットをまた歩かせてもつまんないしなあ(僕が)。いろいろ悩んだ結果、今回は3つのうち2コをからくり仕掛けにして、オリジナルとは違う動きも取り入れることにしました。それがこのスペースパトロールです。オリジナルはぜんまい仕掛けでまっすぐ走るおもちゃなのですが、ご覧のようにまるでロデオのようにデコボコと動きます。作ってみると単純なのですが、パッと見どうなってるかわかんないんじゃないでしょうか。けっこう気に入っているしくみです。これの応用であと2個くらい何か作れないもんかと。

これはブリキのおもちゃファンなら誰でも知っている「スペースドッグ」。ゼンマイ仕掛けから電池で動くものまで、現在でもレプリカが販売されている人気者です。こちらはオリジナルに忠実に、口をパクパク耳をパタパタさせて動きます。理屈ではペンギンの羽根やオオハシの口と同じ動きなのですが、このスケールでこの形で、紙の摩擦による抵抗をどう解消するかに一苦労、試作品の山ができてしまいました。組み立ては少々やっかいです。この解決方法が1番良かったのかどうか、実は今でも自信をもって断言できません。もっとスマートな構造を思いついた方は是非教えてください。

そして3つ目はクラシカルな「アトミックロボットマン」です。第二次大戦後まもなくの日本で製造されたこのロボットのパッケージにには、本来ならMADE IN JAPANと入るところにOCCUPIED JAPANと刷られています。「占領下の日本」そういう時代だったのでした。昨年、オーランドのディズニーランドに北原コレクションの展示館が完成しました。このペーパークラフト本も、英語の組み立て説明図を添えて向こうで販売される予定です。逆逆逆輸入くらいですか。いや別に第二次大戦の仕返しってわけじゃないんですよ、いろいろ思うところはあるけどさ。