「紙でつくる北原コレクション01」が完成しました。グラフィックデザイナーになって初めてデザインにかかわった本「日本カエル図鑑」(文一総合出版より再版を重ね好評発売中。ただし値段は25800円。)が出来あっがった時や、最初の紙工作キット「ペンギンの見果てぬ夢」が印刷されて世の中に出回った時もドキドキしましたが、今回は中味も外味も自分でデザインした初めての本だったので、緊張感も喜びもひとしおでした。出来上がった本を眺めながら3日ほど酒が飲めましたが「ありゃりゃ、ここはこうした方が良かった」というところを既にいくつか見つけてしまったのでもうやめます。
 中には北原照久さんに監修を受けて選んだ3つのペーパークラフトキットが入っていて、その一番目がこのスモーキングロボットです。ハンドルを回すとからくり仕掛けで両手両足が連動して動きます。組み立て説明図の前半、顔と手を作る部分がかなり面倒ですが、それを過ぎるとあとは楽勝ですので、途中で投げ出さずに付き合ってやってください。

二つ目はクリッパー。水上に発着する快速飛行艇です。北原さんの解説にもありますが、横浜のブリキのおもちゃ博物館で見た実物は年月を経て変色した渋い色調がとても魅力的で、印刷で再現するための用紙選びにとても頭を悩ませました。エイヤッっと決心して指定した紙が良い感じだったのでホッとしています。オリジナルには付属していない台座つきで、机の上に飾れるようになっています。

3つめ、とは言っても一番簡単なのでこれを最初に作ることをオススメするのは、戦前のブリキのおもちゃ「装甲車」です。企画を提案するにあたって、ブリキのおもちゃのコレクション本から1点を選び試作したのがコレでした。ななめ前からの写真1枚だけを頼りに設計したのですが、実現が決まって現物と初めてご対面した時に、予想以上にプロポーションが正確に合っていたのでびっくりしました。A4一枚で完成しますが、1ページにみっしり納まった部品の並びがけっこうきれいで、自分ではとても気に入っています。