季刊「生命誌」BRHカード101号付録

わたしの今いるとところ、そしてこれから その2

ケースから覗いている丸いパーツを使って組み立てること約10分、ローマ時代の円形劇場のような舞台が完成します。前号では、宇宙誕生以来138億年間の時間の中での、地球・生命・人間・そして私という個人の立ち位置を探ったのに対し、今回は、現在知られている物質の最小単位「ひも」(10のマイナス35乗メートル)から観測可能な宇宙の果て(10の26乗メートル)までの空間的スケールの中での生命を考えます。
畳んだ舞台を広げてピラミッド状に置くと微細な構造の積み重ねの上に立つ人間の姿が、ひっくり返してすり鉢状に置くと大きな自然の構造の一部としての人間の姿が浮かび上がります。層をなす構造同士は互いに密接に関わり合い、宇宙全体の構造を支えているのです。極小と極大のスケールのちょうど中間辺りに生命が位置する(ように見える)という事実は、考えようによっては神秘的ですし、当たり前といえば当たり前のような気もします。今後の物理学と脳科学と哲学(とSF)が、この辺をどう解き明かしてくれるのか楽しみです。
ページの中心に穴を開け一つのモチーフを立ち続けさせるこのしかけは、10年前にプランス人作家の飛び出す絵本で知りました。簡単だけど効果抜群で、いつか使ってみたいとずっと心の隅っこに残っていたのを、記念すべき100号で思い出したのは我ながらグッジョブでした。101号からは心機一転、体裁もデザイナーも変えて再スタート!なんて展開もあるかと半分本気で思っていましたが、今のところそういう話は聞こえてきません。かなりネタ切れ気味の紙のおまけですが、がんばってひねり出しますので引き続きよろしくお願いします。
季刊誌100号を記念して、BRHのサイトも大幅にリニューアルしました。
スマホにも対応してとても見やすくなりましたので、ぜひ一度覗いてみてください。

生命誌ジャーナル


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