ギザの大スフィンクス(エジプト)
 ナポレオン率いるフランス軍に鼻を銃撃の的にされたり、長い間他人のものは自分のものだと思っていたイギリス人にあごひげを持っていかれたりして、今はとっても悲しい姿になってしまっているスフィンクスですが、建造当時は華麗に彩色されていたのではないかという説が有力です。あってますか?吉村先生。いまとなっては想像力に頼るしかありませんが、当時の姿を再現してみました。おまけにピラミッドも付いてます。

 93年の12月、タージマハルを後にして生まれて初めての飛行機でたどり着いたのがエジプトでした。12月のエジプトはそれほど暑くもなく、観光客も適度な数で、とても快適な旅行だった記憶があります。イスラムの戒律で気軽にビールを買えなかったのがちょっと辛かったけど。少し時期がずれるとラマダン(断食月)で、日中は食べ物を買えなくなるので、行こうと思っている人は要注意。
 カイロ博物館の前から出ている市バスでギザにむかったところ、20分ほど走った頃にビルのすき間からいきなりピラミッドが見えたのではしゃいでいたら、近所に住んでいるというエジプト人に、ピラミッドに行く前にウチに寄らないか?いいものを見せてやるから、と声をかけられました。『人を見たらイイヒトだと思え』をモットーに旅行をしていたぼくは、無謀にもノコノコ着いていったのですが、ギザのすぐ近所に住んでいるこの人のアパートのベランダからは、雑然とした下町の町並み越しにピラミッドが間近に見え、写真やテレビでは紹介されないその姿に大感動してしまいました。信じてよかった。その後何か売りつけられそうになった記憶もありますが、いやなことはもう忘れてしまいました。