サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(イタリア)
 というよりも、フィレンツェの花のドゥオモと呼んだ方がおなじみかもしれません。ハンニバルの舞台のすぐ近所です。気にいったので写真を2点入れてみました。

 1994年の2月、ぼくはこの建物の横の広場に座ってスケッチをしていました。知ってる人も多いと思いますが、この建物の表面は赤・白・緑の大理石でこれでもかというくらい幾何学的に装飾されていて、絵に描くのは大変なのです。冬の寒いさなか3時間くらい座っていましたが、結局壁のほんの一部を描いただけで挫折してしまいました。サラサラっと省略して描くことの出来ないこの性格がうらめしい。
 というわけで今回はそのリベンジです。マックがあってホントに良かった。拡大して拡大して拡大して、むきになってディテールを書き込んでいたら、気がつくとプリンターでは再現できないくらいに書き込んでしまい、これでも最後に少し簡略化したのでした。是非ベストモードでプリントアウトしてみてください。正確な側面図が描かれた印刷物を確か当時おみやげに買った記憶があるぞ、と思って押し入れをひっくり返したら、ものすごく奥深い所から黄ばんだはがきがちゃんと出てきました。何でも買っておくものです。これまでのモデルで一番正確かもしれません、それはいいんだけど、その周りから当時のなつかしいものがいっぱい出てきて、しばらく仕事になりませんでした。

 それにしても昔の人はよくこんなものを作ったもんだと思います。資料を読んだら着工から完成まで600年もかかっているそうです。600年か、それだけあれば手書きでも完成できるかもしれんな。