TITLE
プレスト市役所

YEAR
1998

PAPER
キャンソン・ミ・タント

BACK GROUND
実物は黄色い壁に赤い屋根の、いかにもデンマークらしい建物です。
実務には手狭になってしまい、現在は式典用に使われています。

数年前に日本のやんごとなき方がデンマークを訪問した際に、
何を思ったか、この町の市長は彼を町に招待しようと試み
この建物の壁を数年ぶりに塗り直しました。
もちろん丁重に断られましたが、日本大使館主催のパーティーに
逆に招待され、夫婦そろってめかしこんで出かける姿が
ローカルテレビのニュースで流れました。
ペンキ代を奮発した甲斐はあったようです。

その市長さん。私の作品展にも足を運んでくださり、
この作品を見てたいそうよろこんでくれました。
値段を聞いて、「じゃぁ、議会と相談して連絡するから」
といって帰ったきり、音沙汰はありません。
ピーターマッセンという男です。

話は変わりますが、デンマークの人々は国旗が大好きです。
この建物のような公共の場以外にも、
やれ誕生日だやれ結婚式だやれパーティーだやれ大安売りだと
プライベートな場面で、彼らは驚くほど国旗を使います。

デンマーク人とアメリカ人とノルウェー人と
一緒にグループ展をした時に
「そうだ!ギャラリーの前に四カ国の旗を立てたらどうかしら?」
という提案に、たいがいのことはOKと言ってしまう僕も
それだけは勘弁してくれ、とお願いしました。