紙のウィンドウディスプレイ・その1
 完全に公開するタイミングを逸してしまいましたが、昨年(2001年)一年間、世界遺産の仕事と平行しておこなっていた某宝飾販売店のウィンドウディスプレイ用に制作したペーパークラフトです。春夏秋冬、それぞれテーマを設定して各5〜8点程度のキットを設計しました。今回アップしたのは秋用に作った動物たちの一部。シリーズの中で一番気に入っているもので、ご覧の通り「かみのわんこ」の原型となったものです。
 全国に二百以上ある販売店に完成品として納品する、という仕事の形態は今までに経験したことのないものでした。ぼくがおこした型紙を金型で抜いて、工場で何十人という方たちが手作業で組み立て、箱につめて全国に発送、という流れからいろいろな制約が生まれてきました。
1)パーツ数はなるべく少なく
2)のりしろはなるべく少なく、大きく。のり付けは両面テープ。
3)印刷には頼らない
4)組み立てはなるべくシンプルに、壊れやすい形はNG などなど
 けっこう難しくて、正直に言ってすべてがうまく行ったとは思っていません。でも回を重ねるにつれて、金型を作ったり実際に組み立てる人たちとの意志疎通もできてきて、ぼくの設計もそれに沿ったものになってきたと思います。おもしろいもので「紙工作キットとしてきれいで楽しい展開図」と「金型の特性に合って組み立てやすい展開図」というのは違うんです。このあたりのこと、次回他のシリーズを更新する際にもう少し詳しく話せればと思います。