Hudson Yards × Make City
 ニューヨークはマンハッタン地区の中央、タイムズスクエアから約2kmという一等地にある鉄道操車場で現在、Hudson Yards(ハドソン・ヤーズ)という名称の大型地域開発計画が進んでいます。10haにも及ぶ操車場の上部に大屋根をかけ、その周囲を取り囲むようにオフィスや店舗、居住棟を含む14棟のビルを建てる予定で、すべてが完成するのは2020年代の後半という、壮大というか今時バブリーな話なんですが、この春にその第1街区着工の大型プレスリリースがあるということで、誰かが何かの拍子に「集まってくれた人にペーパークラフトのおみやげを配ろう!」というアイデアを思いつき、Make Cityを出しているニューヨークの出版社を通して僕にお声がかかりました。いつも言ってるけどすごい時代だ。
 洋の東西を問わず、こういう企画が決まる時ってのは代理店の人たちのその場のノリというか勢いで行っちゃうもんで、細かい資料集めや事務的な確認は後回しってのはよくある事でして、ともかく資料の少なさに苦労しました。写真だけじゃ分かりにくければ、Hudson Yardsで軽く画像検索していただければ分かるように、何しろ水平垂直部分の少ないほとんどだまし絵のような造形で、見る角度によってあっちに傾いたりこっちにひしゃげたりして見えるデザインです。もちろん設計者はわざとそうしてるんでしょうが、完成してその場に立ったら三半規管がおかしくなっちゃうんじゃないかと思えるほど。こういう形は完成予想図のパース画だけじゃ分からないからお願いだから三面図をくれと、何度お願いしても図面は届かず、結局はアメリカの物好きな人たちが運営している「高層ビル好きの人たちが集まってあれこれ語り合うフォーラム」なるサイトを見つけ出し、そこにアップされていた資料に大いに助けられました。展開図を提供できないのが残念ですが、あれだけの資料からこの展開図までたどり着いた僕は我ながらなかなか大したもんだと思います。