PAPER ENGINEER(ペーパーエンジニア)
あまり聞き慣れない言葉だと思います。

紙を扱う工芸・芸術には、折り紙に始まり、切り絵、紙彫刻、
デコパージュ、いわゆるペーパークラフトなど様々なものがありますが
その中でも、機械または人力での加工による大量生産を前提として製作する分野を
特に、ペーパーエンジニアリングと呼びます。
具体的には、飛び出す絵本、パッケージ製作、
少し広めに解釈すればキット販売のペーパークラフトなどが含まれます。

切り絵や紙彫刻などの一点物の製作とは違い、
ペーパーエンジニアリングには、作家的な知識・技術・センスに加え
加工過程に関する知識と配慮が要求されます。
結果的に同じ形を作り上げるにしても、
機械や、実作業をする人がいかに効率的に組み立てることができるか、
を考えながらデザインを進めて行く過程は
ある意味で非常に数学的・論理的なものです。

このサイトでも紹介している「からくりペーパークラフト」は、
これに加え、その構造自体が工学的なものであり
二重の意味でエンジニアリングと呼ぶことができるでしょう。
今現在、僕が最も力を入れている分野です。

日本でも、このジャンルを専門にされている方は大勢いらっしゃいますし
実際そのレベルは世界でもトップクラスだと思いますが、
何故かこの言葉はこれまであまり使われてきませんでした。
知識と技術に裏づけられた「センス」を持つ製作者になれることを目標に、
耳慣れないこの言葉をあえて肩書きに使用しています。

上の写真は、僕にとってはバイブルともいえる
National Geographic Society刊(邦訳は大日本絵画)の
飛び出す絵本シリーズの中でも
もっとも衝撃をうけた『くじら』の中のひとこまです。
ペーパーエンジニアはJames Roger Diaz。