残り3週間が勝負?・Sさんのオリジナル干支クラフト
 最近参加することになったグループの自己紹介で、「趣味はペーパークラフトです」と、うっかり(?)漏らしてしまったSさん。これまでに作った作品を見せたところ、例によって「これ紙できているの?」という、うれしいリアクションが返ってきたところまではよかったのですが、そこに目をつけたのが、大量に余っている点字の紙の処分に困っていたグループリーダーの方でした。年末のバザールで販売できるように、来年の干支のウサギを作ろうと決まったのが10月の終わり頃。これまで純粋に趣味としてペーパークラフトを楽しんできたSさんはそれ以降、依頼を受けて売り物としてペーパークラフトを作ることの厳しさを思い知ることになるのでした(笑)。

まずはこちらが第1回目の試作。
メンバーからは「頭の形がイマイチ」「目の位置が不自然」との鋭い駄目出し。

改良を加えた2作目。
「形はまぁ良くなったわね」
「でも折り線は見えない方がいいかも。裏に印刷すれば解決じゃない?」 
まぁ、そりゃそうなんですけどね・・・

裏表を逆にして作った3作目。
この間にも「耳は立体がいい」「ほっぺのふくらみが欲しい」など、
いろいろなリクエストが入っています。

裏に印刷するんだから、当然目や鼻は手作業で着色することになりますわな。
お疲れさまです・・・。
リーダーからは「できれば50個、最低でも20個は欲しい」というオーダーが入ったそうで、
Sさん、黙々と作り貯めておりますところに・・・
「うさぎだけじゃ淋しいわ。展示台も作れないのかしら。」という
これはまた別のメンバーからのまさかのリクエスト!

そして完成したのがこちらです。
いや、いろんな方の意見が入っているだけあって立派な作品に仕上がりましたね。
点字のデコボコもいい効果を出してますし、これなら売り物になりそうです。

最初は手伝ってくれるはずだったメンバーも、
初めてのペーパークラフトに一人抜け二人抜け・・・
最終的にはSさんと数人の有志の皆さんで作ったウサギの数は現在10セット。
先日行われた第一回目のバザールでは、見事2体が売れたそうです。
今後引き続き行われる週末のイベントが楽しみですね。

 というわけで、思いがけず職業作家体験をされたSさん。上のエピソードはもちろん僕の脚色が多分に入っていますが、大勢の方が気楽に発言するいろんなツッコミを集約して作品に反映させるのに苦労されたそうです。まさに僕が日々体験していること。あまりも身につまされる話なので、メールを読みながら大爆笑してしまいました。
 それでももちろん、売り物を作ることに対する責任感や、みんなからOKをもらった時の達成感、そして商品が売れた時の満足感は、これまでの趣味のペーパークラフトからは味わうことのできないものだったとおっしゃるSさん。ですよね、どれも一回味わってしまうと、なかなか抜けられない快感です。メンバーとの関係も深まり、結果オーライではあったのですが、唯一の後遺症というのが・・・

家に帰ってまでペーパークラフトをする気が失せてしまったことだそうです。そりゃそうだわ。そんなわけで、最後の写真は作りかけで放置されたASIMOの頭。しっかりオチまで投稿していただきました。残り3週間、がんばってください!(2010/12/09)