中央のこども部屋を取り巻くように5人の個人展示スペースが設けられています。

入ってしょっぱな右手は、光武さんの展示です。壁一面に貼られた展開図が迫力です。一番の注目の的は、原寸大パティックフィリップの腕時計。紙工作展だって言ってるのに「これ紙なの?」って尋ねる人が後をたちません。びっくりした表情が次第にニヤニヤ笑いに変わる、「細密を極めて笑いをとる」ことを信条とする光武さんの面目躍如の一作です。

続いては、TVチャンピオン段ボールアート王選手権3連覇の篠崎さんのコーナー。中央の展示では「これをやれるのはチャンピオンしかいない!」とみんなでなだめすかしおだて倒して、展示の骨格となる勉強机やベッドなどを全部段ボールで作ってもらいましたが、個人スペースでは本来のタッチであるテクニカルなイラストレーションを駆使した細密な自動車模型をメインに展示しています。
精密なペーパークラフト2連発の後は、ぼくの展示でちょっと一息ついてください。今回は、市販のからくりペーパークラフト全8種をモーターで回してみました(スモーキングロボットは挫折しました)。10日経った現在でも元気に回ってくれています。手前の展示品はおさわり自由、たねもしかけも紙でできていますので、是非ウラ側を見ながら回してみてください。先月のディズニーグッズラボラトリーに展示した作品も展示しています。
からくりで遊んでちょっとなごんだ後は、溝呂木さんのお気楽クラフトでさらにゆるんでください。図面も彩色もすべてフリーハンドという、『紙のクルマ』からは想像できない、最近の水彩タッチの作品は、見ているだけで体から力が抜けてきます。展示を見ていると後ろから明るく声をかけてきて、各作家の仕事ぶりについてまるで自分のことのように話してくれる陽気なお兄さんがいたら、その人が溝呂木さんです。
そして最後はごとうさん、段々エスカレートしていく巨大ペーパークラフトで、ヒョウタンの半分側をほとんど埋め尽くしてもらいました。約20点の巨大クラフトの搬入は自家用車のワゴン1台、信号待ちの度に、後部座席や助手席の窓からのぞくトラやジンベエザメやティラノサウルスの姿に視線が集中だそうです。今回初展示のテディベアは人気の的です。